国際中医薬膳管理師会は薬膳に関心があるすべての方々にとってはオアシス(憩いの場)であるような存在でありたいと思っています。
中国西周王朝時 代(紀元前1066年~1100年)に宮廷医職制度の中、食医、疾医、瘍医、獣医と分け、王の食事を管理する食医は冠たる地位にいたとされました。上工者 治未病(腕のよい医者は病気を予防するもの)という観点から、体と心をケアする食事に携わる食医の重要さが伺えます。
東漢時代、張仲景医聖は棗好きが有名で『傷寒論』に収録された113方剤中、63方剤も棗を使用しました。薬食同源に源流した薬膳養生は中医学の重要部分であり、弁証施膳を通して、中医学を食卓へ届ける唯一の方法でもあります。
大 量生産、大量消費、大量廃棄の現代社会は目の前の目的と欲求を満たすため、医学と農業において、化学物質の多用と遺伝子操作が暴走し、食安全や環境破壊に 急速な少子高齢化、アレルギー性疾患の増加、1980万のメタポリックシンドローム人口(予備軍も含む)….という現状!.
今こそ農耕民族の子孫である私たちはもう一度古代叡智の教えに耳を傾け、自然と調和する、体と心を調和す、個々の体質にフィットする薬膳養生を実践して、社会に発信していく時期ではないでしょうか?
3 年前、学士会館で5科目の試験をクリアした日本での第1期国際中医薬膳管理師の合格者は後輩のための薬膳問題資料の整理帰納、漢方医学財団での薬膳執筆、 漢方方剤の服用と合わせた薬膳アドバイス、高齢者に薬膳を取り入れた栄養指導、観光資源を生かした薬膳製品の手かけ……本当に頼もしい限りです。中部、東 北、関西、北陸から受講にこられたパワーをこれからもこのオアシスで潤いをして、また全開してほしいです!
今年度の第2期生も、病棟過酷の夜勤あけにこられた方、薬膳ベテランの方、日々薬局で中医学実践して、食事もあわせてお客様に役立とうと楽しんで学んでいます。薬膳サロンをオープ ンした方もいます。
このオアシスで夢を語り合い、元気を分け合
い。資格検定をクリアしましょう。
本会は黄帝内経の読解、弁証施膳トレーニング、方剤にあわせる献立の選択、調理実習、現代栄養学と非栄養素因子(ポリフェノールなど)の習得、地域社会に向けた薬膳の啓発普及などを目標しています。奥深い中医学を食卓に届けるよう、切磋琢磨していきましょう。
その旨を賛同して、臨床経験を富んだ医療人をはじめ、薬膳と中医学に精通する、多方面の才能、技、知識でこの会を支える有識者たち、地域社会で薬膳を率先と関わってきた沢山な方々は入会されて、サポートしてくださることを有難く感じています。
皆のオアシス、皆の学び場、知性と感性と思いやりの心で薬膳の素晴らしさを広めていきましょう。
漫歩探遊荊州園
春満扶桑人逍遙
(荊州は『本草綱目』著者李時珍医聖の故郷)
中医師 和田暁
国際中医薬膳管理師会会長
東京有明医療大学非常勤講師
薬膳アカデミア主宰